みえくるARIDA

みえくるARIDA

【建物概要】

■構造・規模 鉄筋コンクリート造 2階建て(一部木造)

■建築面積 2,081.03㎡

■延床面積 2,815.28㎡

■設計・監理 綜企画・アトリエ・アースワーク設計共同体

■施工 三洋・匠特定建設工事共同企業体

今回は有田市にある『えみくるARIDA』を紹介します。本施設は老朽化の進む地域の3つのプールを統合し、フィットネスジムを併設した屋内温水プールとして新たに建設されました。市が推進する、市民の健康増進・体力向上・癒しや交流の場として、体と心の健康を満たす健康型健康増進施設『BIG SMILEプロジェクト』の核となる施設として計画されました。設計時から、市・設計者・指定管理者の3者で、スポーツと健康増進の関わりを考えながら、運営面も含めた施設設計が進められてきました。そして今年8月にオープンしました。

建物外部はコンクリート打ち放し仕上で、建物を覆う大屋根が印象的です。大屋根と外壁の間はガラス張りとなっていて、屋根を支える木造の躯体を外部から見る事ができます。木造躯体は紀州材を加工した集成材でできています。大きな集成材の梁、その梁を支える木造の骨組みは、室内に大きな樹木があるように見えます。建物西面には、一枚壁で存在感のある杉板型枠のコンクリート打ち放し仕上の外壁があり、クジラがモチーフの大きな庇のかかるエントランスへと導いてくれます。壁面には、大きさの異なる正方形の大きなガラス面がランダムに配置されていて、室内を移動する人の姿が、窓越しに外部から見ることができます。

風除室を抜けエントランスホールに入ると、2層吹抜けの空間となっています。杉板型枠のコンクリート打ち放し仕上の壁面と、同質仕上げの柱や梁・壁で構成された室内空間は、開放的であると同時に、力強さを感じます。大小様々な大きさの開口部から入射する自然光により、室内は明るく、外の風景が室内に流れ込んできます。

白い壁面の脱衣室を抜けると、屋内プールにたどり着きます。平面構成は25mプールと小プール、円形のジャグジーがあります。25mプールは8コースあり、車いす対応となっており、高齢者や足に不自由のある人でもスムーズに入れるように、プール内にスロープが設置されています。白いタイルと、屋根を支える集成材の木の色のコントラストがとてもきれいです。見上げると、2階の健康増進ジムのランニングマシーンが並んでいるのが見え、とても開放的な空間です。1階にはその他、シャワー室・浴室・サウナが設置されていています。

エントランスホールに戻り、吹抜け内の階段から2階に上がります。吹抜け空間の中に浮かぶようにデザインされた階段は、とても美しく感じました。室内の吹き抜け空間を楽しみながら、また大きな開口部から屋外の風景を眺めながら2階に上がると、プールから見えていた、健康増進ジムにたどり着きます。健康増進ジムからは、1階のプールを一望することができます。屋根を支える集成材の大きな梁は、近くで見ると、より迫力を感じます。

室内のプールやジム、吹き抜けのエントランスホールなどの空間が、丁寧かつダイナミックに連結されています。またそこからガラス面を通して屋外へとつながっていく風景は、とても解放感があり、来る人ワクワクすることでしょう。この施設を日々利用することで、体と心の両方の健康をしっかりと満たしていくことができると感じました。

【会報誌きのくにR2年10月号掲載】

  情報・出版委員 佐原光治

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