紀三井寺公園(陸上競技場・野球場)

紀三井寺公園 (陸上競技場・野球場)

建物概要

設計監理 新築時     雑賀建築設計事務所

     改修時(H25年) 基本設計 綜企画設計大阪支店

             実施設計 石本・日和特定設計業務共同企業

構造    陸上競技場 RC造地上4階建て  野球場 RC造地上3階建て

建築面積  陸上競技場 7,370㎡  野球場 3,628㎡

延床面積  陸上競技場 13,239㎡   野球場 6,775㎡

 

 平成27年の国体開催を控え、紀三井寺公園がリニューアルされたということで取材に行って来ました。紀三井寺公園は陸上競技場、野球場、補助競技場、テニスコート、フリークライミングの登はん場、児童公園など様々な運動施設が併設された総合運動公園です。公園面積は172,300㎡。周辺には名草山・船尾山を臨み、大変緑豊かな環境に立地しています。

 国体道路から東へ曲がって正面に見えるのが陸上競技場です。昭和39年4月に竣工し、第26回黒潮国体のメイン会場としても使用されました。そして平成25年には大規模改修が終了。新設された立体トラスの大きな庇をくぐってグラウンドの中へ。19,200人収容の観客席は新たに座席が取り付けられ、競技用のトラックや中央部の芝も色鮮やかです。取材時にはちょうど大会が催されており否が応でも気分が盛り上がります。また大型映像装置も新設され、次の国体に向けて新たに生まれ変わったという印象です。防災面でも陸上競技場は津波避難ビルとなっており、地震時にはゲート2ヶ所が自動で解錠されるそうです。

正面右手は野球場です。昭和40年にグラウンドとスタンドが完成し、昭和59年には内野スタンドが増設されました。その後照明設備、エレベーター、防球ネットなどが改修工事で設置され現在の状態に至ります。和歌山の甲子園と呼ばれたこのグラウンド、まだまだこれから多くの汗と涙のドラマが生まれることでしょう。

 また施設管理の方に話を伺うと競技用の芝には夏芝と冬芝があり、こちらでは年2回植え替え作業を行っているそうです。プロサッカーチームが使用する事もあり、芝の管理には重点を置いているとの事。見慣れない機械があったので何かと訪ねてみるとお掃除ロボットのように自走する芝刈り機だそうです。最後に公園全体を歩いてみると以前と違って車寄せから駐車場への動線が整備され、明確に歩車分離がなされたことが分かります。ウォーキングに来る近隣の住民や児童公園へ遊びに来る親子連れの方から見ても、より安全に快適に利用できるようになったのではないでしょうか。

【会報誌きのくにH26年12月号掲載】

 情報・出版委員長 南方一晃

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