和歌山県立情報交流センターBig・U

和歌山県立情報交流センターBig・U

建物概要

設計監理 ㈱昭和設計

敷地面積  46,000㎡

延床面積   9,678㎡

施工    東急建設・淺川組・田中組JV

竣工    平成16年10月

 

 和歌山県の真ん中に位置する田辺市にIT・情報技術施設として建設された情報センターを紹介いたします。南紀田辺ICを降り,車を走らせること約15分。白浜温泉に向かっていると左手の山にある馬蹄型に建設された特長的な建物、それがビッグ・ユーです。

ビッグ・ユーは、産学官連携による総合ITインキュベーション拠点施設として、人材育成・普及啓発・産業支援・地域支援・IT関連の起業家の創出などの目的とともに、研修室・実習室・多目的ホールなどの貸館施設、そして蔵書20万冊を常備している県立紀南図書館などがあり多様な情報が閲覧できます。またPC体験コーナーもあり、より多くの方にパソコン・インターネットを慣れ親しんで頂くために無料利用が可能。学生・親子などで年間約40万人が利用する人気施設になっています。

施設内に入りますと、床、天井に紀州材をふんだんに使用し、歩くたびに「コツコツ、キュキュ」と昔の学校のような紀州材の声が聞こえ、どことなしに安心感や懐かしさを感じます。屋上にはウッドデッキと芝生が施された公園があり、天気のいい日にはお弁当を食べたり散歩したりと色々楽しめます。また屋上から見る田辺湾はとても青く、心が落ち着きます。

館内には、自家栽培野菜をベースとしたバイキングレストラン「農民カフェ絆」とコーヒーショップ「香 Flavoured Coffee Factory」があり、天気のいい日は中庭ウッドデッキテラスでピクニック気分を楽しめます。

そんなビッグ・ユー、建設当初はITに対する理解はまだうすく、利用者は少なかったのですが徐々にITが浸透。いろいろな講座の開催や、フリーマーケットなどのイベントを積極的に催した結果、ビッグ・ユーという施設が理解され年々利用者も増加しています。そんな本施設も10周年を迎え、次のステージはどのような姿になるのか楽しみです。望むは、建物のように若者がUターンで地元に帰り、賑わいがずっと続くビッグ・ユーであることを祈っています。

【会報誌きのくにH27年5月号掲載】

情報・出版委員 亀山 忍

このページの上部へ